3月の読書

デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する

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SNSは我々の時間を奪っていくから距離を置こうよ、という啓発本。Twitterの仕様変更に阿鼻叫喚しているのが馬鹿らしくなっていた時に読んだ。孤独な時間を持つことはポジティブだとか、SNSは社交のファストフードで古来から社交で社会を築いてきた人間には希薄なコミュニケーションであるだとか、デジタルツールのメリットは複数のシングルタスクを一台で賄えることであって、マルチタスクを推奨するためのものではないだとか、色々書いてある。

まあ、人によってはくだらん自己啓発本の類に感じるかもしれない。私も筆者の書くすべてに賛同できたわけではないが、これを読んだ3月から劇的に生活が健康になったので、読んでよかったと思う。

スマホを持たずに出かけることが増えたが、最も恩恵を感じるのは本屋に寄ったとき。自分は電子書籍派なので、スマホを持っていると本屋にいるのにスマホを開いて電子書籍があるか調べてしまう。するとインターネット上にあるレビューだとか評価値だとかも目につく。これでは本屋で本を探す楽しみを満喫できない。電子書籍があるかを探してるうちに、レビューが低い事に気づき、だんだん興味が薄れてしまうことが多い。手ぶらで本屋に入ると、手持ちで買える金額の気になった本を直感で買えるので、本屋で本を選んだという満足感と、本を買ったという満足感が得られる。

人間には自分で選択したという自由意志(そうと思いこんでいるだけかもしれない)が必要なんだろう。

砂糖の世界史

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筆者のあとがきに心打たれたので引用する。

歴史を学ぶということは、年代や事件や人名をたくさん覚え込むことではありません。いまわたしたちの生きている世界が、どのようにしてこんにちのような姿になってきたのかを、身近なところから考えてみることなのです。

砂糖の世界史

本書は上記の信念のもと執筆されており、平易な言葉で根気良く話しかけるように世界史を紐解いてくれる。恥ずかしながら世界史にあまり触れてこなかった私のような人間でも、近代のヨーロッパやアジアの発展と、その裏に押し込められた奴隷貿易の実態を知ることができる。

本来ネイティブ・アメリカンの土地であるはずのアメリカになぜ白人がいるのか、どのように白人中心の社会が形成され、なぜそこに黒人が混ざっているのか、黒人の多くいる土地が今日では発展途上国となっているのはなぜなのか。本書を読めばそれらが理解できる。これが一般教養ってやつかあ。

年号や事件を淡々と追うのではなく、世界商品である砂糖の流れに乗って、イギリスを始点に世界中を巡る世界史の旅に出る。世界商品を追いかける性質上、紅茶やコーヒーの話も少し出てくるが、茶やコーヒーに関しては、ちくま新書から出版されている『世界史をつくった海賊』(竹田いさみ著)なども詳しいので、興味があれば読んでみてほしい。本書も引用されていた。

本書を読んで得られる知識は以下だ。

  • 砂糖はどのようにしてヨーロッパ人に発見されたのか
  • 砂糖はどのようにして生産されたのか
  • 砂糖はどのようにして世界商品となったのか
  • それらに関わった白人と黒人はどのような立場の人間だったか
  • プランテーションとは、モノカルチャーとはなにか
  • これからの砂糖の価値

挙げればもっとあるが、砂糖を足掛けに世界の動向を知ることができる。近代から現代にかけての世界がグラデーションのように徐々に繋がり、歴史上の他人事が、今日の自分事となる。

まさしく世界史に興味を持つきっかけとなりうる一冊で、世界史の入門書である。

一汁一菜でよいという提案

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要約すると、具沢山の味噌汁とごはんを食え、それでみんな健康に暮らせる、って書いてあるだけ。日本の風土や慣習としてハレとケを使い分ける気質が残っており、一汁一菜はケの食事であると説いている。ケはハレと違って、日常に溶け込んだ生活であるから、奇をてらったものなど作らずともよく、無理のない範囲で栄養を摂ろうねといった趣旨の内容が延々と書かれている。一冊まるまる読んでも、要約以上のことは吸収できなかったので、まあ人に薦める本ではない。

食事がクソめんどくさいので、晴れて我が家も一汁一菜になった。卵かけ納豆ごはん、うますぎる。あとは野菜3種類くらい入れた味噌汁あればいいや。この本のタイトルを見るだけで気分が楽になるので、たぶん宗教の聖典とか救いとか福音とかの類なんだろう。

シャーロック・ホームズ シリーズ

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正確にはシリーズを全制覇したわけではなく、ふたつの長編小説を読んだ。『緋色の研究』と『四つの署名』。前者は荒涼としたアメリカ大陸の大自然の描写が美しく、後者はインドの異国情緒溢れる描写が巧みで、意外やこういった異国の描写も人気の秘訣だったのではと思わされた。当時ホームズを読んでいたであろうイギリスの労働者階級は、煤けたロンドンで産業革命の真っ只中だっただろうから、異国の大地なんてついぞ見ることもなかったのだろう。

どちらも少し読むうちにあっという間に謎めいた事件の中に引き込まれ、ついつい風呂の中でも読書をしてしまうくらいにはのめりこめた。

エジソンの手でフォノグラフという録音・再生装置が発明されたのは1887年。そのフォノグラフも録音時間はせいぜい4分ほどだったそうなので、当時主流だったオーケストラやオペラはとても記録できるものではない。フォノグラフの次に蓄音機が発明されたが、それも普及するのは1890年代だったらしい。

緋色の研究の舞台である1881年当時、まだまだ音楽は、劇場に聴きに行くか演奏するしか触れることのできないものだったのではなかろうか。つまり、ヴァイオリンを奏でるのが上手なホームズとの同居は、ワトスンにとってはかなり好条件だったのやもしれん。実際、作中で何曲かリクエストしているし。

最近、私自身が近代のイギリスやヨーロッパの歴史に触れることが多かったのだけど(『砂糖の世界史』しかり『世界史をつくった海賊』しかり)、こうして少しずつ自身の中に含蓄が積もっていくのが、読書の楽しみでもある。当時の背景を慮るのもまた豊かな読書体験というもの。

シャーロック・ホームズとシャドウェルの影

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実は原典より先にこっちを読んだ。

二次創作から入る最悪のオタクムーブしてた。でも、あのシャーロック・ホームズと、あのクトゥルフ神話がマリアージュしたパスティーシュって言われたら、飛びつくしかないじゃん。オタクなんだから。

これを読んだ時、シャーロック・ホームズに対しての知識はドラマの『SHERLOCK』とFGOのホームズくらいしかなく、クトゥルフ神話に関してはSAN値チェックがあるくらいしか知らなかった。あ、あと他人が『Conarium』を遊んでいたところは少し見たことある。怖いのが無理なので自分でプレイは無理だった。

で、にわかもにわかな状態で読んだが面白かった。うさんくさい導入がいい。

トカゲ人間とイカ(タコ?)人間がいて、トカゲ人間はイカ人間に支配されてるってのはConariumでうっすら知っていたので、トカゲ人間の文明描写が出たときに進研ゼミでやったとこだ現象が起きた。これクトゥルフ神話履修済みのオタクはもっと楽しいんだろうな。

あんまり言うとネタバレになるので控えるが、数学者のモリアーティ像を崩したくないなら読まない方がいいし、狂信者みたいになったモリアーティでも愛せるなら本書をおすすめする。三部作のうちの1作目で、翻訳されてるのもまだこれしかないので、残る2作の翻訳を楽しみに待ちたい。

パスティーシュ、いい文化。

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